D51-560号機~592号機を紹介します。
D51-560号機 場所 北海道室蘭市本町2丁目 青少年科学館
車暦 1940鉄道省苗穂工場 1940函館~1965長万部~1967鷲別~1972五稜郭~1973名寄~1974廃車 1975保存開始
状態 塗装は普通 清缶剤挿入装置欠 他の外装諸装備良好 運転室内は休館日のため未確認(上部4圧力計は外から確認) 屋外に屋根付きで保存されているが、足回
りもきれいに整備されて良好な状態である。
* 再訪して見ました。 運転室内の諸計器類は完備 制動・操作・電気系統機器も完備でした。撮影日 2007/07/18・2009/08/14
* 相変わらずきれいに整備された状態です。右リターンクランクにD51202の刻印があります。D51-202号機は1970年に富良野機関区で廃車になってい
ます。廃車後か早い段階での転用でしょうか。右心向棒にはD51114の刻印が微かに読み取れます。D51-114号機は1969年に長万部機関区で廃車になっ
ています。廃車後か1952年北海道配属後に苗穂工場で転用されたのでしょう。 撮影日 2011/07/23
* デフレクター先端カット・コの字型先端部手すり・LP403大型ライト前後装着 国鉄釧路工場改装
* 本機が1955(S30)年当時、函館機関区に所属し函館本線で活躍していた頃、僚機にはD51-114・250・285・286・287・308・309・332・343・365・413・423
・449・・561・562・569・596・605・710・711・733・734・802号機も所属していた。同機関区には9600型機13両も配属されていた。その後各機は各地に転配属され
た。本機以外ではD51-286号機が北海道小樽市、561号機が群馬県利根郡川場村で、29638号機が北海道旭川市でそれぞれ静態保存されている。
* 本機が1971(S46)年当時、鷲別機関区に所属し室蘭本線・日高線で活躍していた頃。僚機にはD51-165・444・565・764・947・1052号機も所属していた。その後
DL化に伴い各機は道央・道北へ転配属、廃車・解体の経過をたどった。D51-165号機は富山県南砺市、444号機は北海道北見市、565号機は北海道常呂郡佐呂
間町、947号機は北海道亀田郡七飯町→神奈川県足柄下郡箱根町、1052号機は北海道千歳市でそれぞれ静態保存されている。764号機は大阪府吹田市で保存
されていたが万博公園利用再計画の為解体処分された。
D51-561号機 場所 群馬県利根郡川場村谷地 穂高高原ホテル
車暦 1940鉄道省苗穂工場 1940函館~1960富良野~1963滝川~1976廃車 保存開始
状態 塗装は良好 清缶剤挿入装置欠 他の外装諸装備良好 運転室内給水・暖房用圧力計欠 他の計器類は良好 制動・操作・電気系統機器も完備 メイン・サイドロッド
・主軸に油が注されて整備され、屋外に保存されているが良好な状態で圧搾空気により付属の線路を走行する動態仕上げである。 撮影日2007/10/19
* 再訪して見ました。相変わらず良好な状態であり集煙装置が装着されていました。 刻印は数箇所他機のが転用されていました。先ず先輪ですが左右ともC58
323の刻印が認められ、かつC58123の元印がありました。C58-123号機は1968年に釧路機関区で廃車になっています。その後C58-323号機に転用され、
1974年に厚狭機関区で廃車になり、その後刻印を変更する事無く本機に転用されたのでしょう。次に左弁心棒案内部にD51561の刻印上部に小さくD51366の
刻印が認められます。これが事実ならかなり珍しい刻印となります。D51-366号機は1948年に改造されC61-25号機となっているからです。次に、右加減リンク
の下部の油ツボ部にD51286の刻印が存在します。D51-286号機は1973年に追分機関区で廃車になり、小樽市の朝里川で静態保存されています。また、右ク
ロスヘッドソケットのD51561の1の下に0の元印があり、D51560号機のを転用しています。D51-560号機は1974年に名寄機関区で廃車になり、現在は室蘭
市の「青少年科学館」で静態保存されています。両機は1940年に同時に函館機関区に配属され1960年まで共に活動しています。その後も近隣の機関区で動いて
いますのでこの間に苗穂工場で交換転用されたのでしょう。 撮影日 2009/10/10・2010/09/11
* 本機は圧縮空気による動態運転を行っており、やはり動く実感は静態保存と比較にならないものがあります。
* デフレクター先端カット・LP403大型ライト前後装着 国鉄苗穂工場改装
* 本機が1955(S30)年当時、函館機関区に所属し函館本線で活躍していた頃、僚機にはD51-114・250・285・286・287・308・309・332・343・365・413・423
・449・・561・562・569・596・605・710・711・733・734・802号機も所属していた。同機関区には9600型機13両も配属されていた。その後各機は各地に転配属され
た。本機以外ではD51-286号機が北海道小樽市、560号機が北海道室蘭市で、29638号機が北海道旭川市でそれぞれ静態保存されている。
* 本機が1973(S48)年当時、滝川機関区に所属し根室本線・歌志内線で活躍していた頃、僚機にはD51-38・68・95・96・297・397・483・578・603・663・684・
1051・1072・1086・1101・1127号機も所属していた。また19674・49606・49642・59613・59669・59694・69658・69660号機も配属されていた。しかし、DL
化により各機はその後転配属、廃車・解体の経過をたどった。廃車後D51-68号機は岩手県岩手郡雫石町、95号機は北海道上川郡新得町、96号機は群馬県安中
市、297号機は北海道滝川市、397号機は北海道士別市、483号機は長野県安曇野市、663号機は青森県十和田市、684号機は東京都村山市、1072号機
は神戸市中央区でそれぞれ静態保存されている。
D51-565号機 場所 北海道常呂郡佐呂間町 佐呂間町交通公園内
車暦 1940川崎車輌 1940大館~1942秋田~1943盛岡~1968小樽築港~1969鷲別~1974追分~1976廃車・保存開始
状態 塗装はやや退色 清缶剤挿入装置欠 他の外装諸装備良好 運転室内速度計・空気・ブレーキ圧力計欠 他の諸計器類は装着するも針欠 両水面計は外枠のみ
制動弁欠 他の操作・電気系統機器は良好 屋外に屋根付きで保存されており、保存状態は普通である。完全可動の北海道型タブレットキャッチャーを左右に装着
* 左右第二動輪にはD5163の刻印があります。D51-63号機は1974年に小樽築港機関区で廃車になっています。1972年以降に転用されたのでしょう。
右先輪もはD51560の刻印があります。D51-560号機は1974年に名寄機関区で廃車後室蘭市で静態保存されています。本機が1968年に小樽築港機関
区に配属以降に転用されたのでしょう。さらに旧印がありますが判読不能でした。 撮影日 2011/07/25
* デフレクター先端カット・コの字型先端部手すり(左)・LP403大型ライト前後装着 国鉄苗穂工場改装
*本機が1955(S30)年当時、盛岡機関区に所属し東北本線で活躍していた頃、僚機にはD51-19・41・64・134・218・234283・284・307・327・356・357・458
・460・461・463・525・568・598・656・715・719・779・854・866・901・917号機も所属していた。同機関区には8620型機9両・C57型機14両C58型機2両も配
属されていた。その後各機は各地に転配属された。本機以外ではD51-231号機が東京都台東区、917号機が岡山県岡山市で、48640号機、C60-1号機が各
地で静態保存されている。
* 本機が1971(S46)年当時、鷲別機関区に所属し室蘭本線・日高線で活躍していた頃、僚機にはD51-165・444・560・・764・947・1052号機も所属していた。その
後DL化に伴い各機は道央・道北へ転配属、廃車・解体の経過をたどった。D51-165号機は富山県南砺市、444号機は北海道北見市、560号機は北海道室蘭市、
764号機は大阪府吹田市、(その後解体処分)947号機は北海道亀田郡七飯町→神奈川県足柄下郡箱根町(その後栃木県宇都宮市へ)、1052号機は北海道
千歳市でそれぞれ静態保存されている。
* 本機が1975(S50)年当時追分機関区に所属していた頃、僚機にはD51-286・333・345・349・397・828・842・916・1072・1119号機も所属していたが本線
での運用は無く、全機機関区内で駐機している状態であった。1975年に333・842号機は廃車になり、1976年度末で全機廃車となった。本機以外では286号機は北海
道小樽市、333号機は北海道白老郡白老町、345号機は兵庫県揖保郡太子町、349号機は長野県岡谷市、397号機は北海道士別市、828号機は香川県高
松市→兵庫県(2017解体処分)、842号機は岡山県倉敷市、916号機は群馬県前橋市、1072号機は神戸市中央区、1119号機は神奈川県厚木市でそれぞ
れ静態保存されている。
D51-566号機 場所 北海道赤平市赤平 赤平公園スキー場前
車暦 1940川崎車輌 1941函館~1944五稜郭~1960函館~1966五稜郭~1967追分~1968岩見沢~1976廃車 1977保存開始
状態 塗装は退色し各所に錆び・腐食進行 清缶剤挿入装置欠 他の外装諸装備良好(汽笛・安全弁はレプリカ?) 運転室鉄格子遮断 室内は暖房用圧力計のみ完備
空気溜・ブレーキ圧力計は文字盤のみ 速度計や他の圧力計・両水面計欠 制動・操作・電気系統機器は良好 室内は荒廃状態 屋外に屋根付きで保存されてい
るが、施設の閉鎖に伴い最近の整備は見られず荒廃状態である。
* 再訪して見ました。保存状態も悪化状況が進んでいます。 撮影日 2007/07/17・2009/08/10
* 夏は夏草に覆われ、冬は一面の雪景色ですが施設の廃絶とともに屋根があるものの荒廃の一途をたどっています。機体そのものはしっかりしており、刻印も
各所に残っています。左右の先輪にC12225の刻印がありました。C12-225号機は1975年に吉松機関区で廃車になっていますが、1972年には小樽築港
機関区に所属しており、苗穂工場で本機に転用されたのでしょう。また左偏心棒油壷にはD513と読めますが錆により確定ではありません。これがD51-3号機
ならば1971年に滝川機関区で廃車になっています。1965以降旭川~滝川機関区に配属されていますのでこの間に転用されたのでしょうか。今や無人で廃墟と
化した場所で、すぐ下の根室本線を走行する各車両の響きを静かに聞きながらこれからの時代を過ごすのでしょうか。 撮影日 2011/07/22
* デフレクター先端カット・コの字型先端部手すり(左)・LP403大型ライト前後装着 国鉄苗穂工場改装
* 本機が1955(S43)年当時、五稜郭機関区に所属し函館本線で活躍していた頃、僚機にはD51-7・68・70・368・394・575・601・741・872・894号機も所属して
いた。同機関区には9600型機8両も配属されていた。その後各機は各地に転配属された。本機以外ではD51-68号機が岩手県岩手郡雫石町、70号機が茨城県つく
ば市、9687・49671号機が各地で静態保存されている。
* 本機が1968(S43)年当時、岩見沢第一機関区に所属していた頃の僚機はD51-11・16・26・47・48・85・98・345・348368・872・1078・1118号機などであっ
た。
* 本機が1971(S46)年当時、岩見沢第一機関区に所属していた頃の僚機はD51-11・13・15・47・48・53・84・85・98・118・136・183・277・328・332・423・
439・467・659・811・855・872・887・1037・1056・1085・1103・1118号機であった。
* 本機が1973(S48)年当時、岩見沢第一機関区に所属し室蘭本線・幌内戦・万字線で活躍していた頃、僚機にはD51-11・13・15・47・53・85・118・260・277・29
2・328・331・332・394・414・423・439・467・562・737・765・811・855・872・915・1056・1085・1118・1120・1160号機も所属しており、9600型機8両・C
57型機6両も配属されており、45両の大所帯であった。しかし、DL化の波は避けきれず、各機は転配属、廃車・解体の経過をたどった。D51-11号機は北海道
札幌市、47号機は北海道岩見沢市、118号機は埼玉県所沢市、260号機は富山県滑川市、737号機は和歌山県有田郡湯浅町、1085号機は和歌山県有田郡
有田川町でそれぞれ静態保存されている。
* 本機が1975(S50)年当時、岩見沢第一機関区に所属していた頃、僚機はD51-59・70・146・165・260・684・953・1085・1149号機に減少していた。既に本線
での運用はほとんど無く、全機機関区内で駐機の状態であった。その後全機廃車となった。廃車後、幸運にも全機保存される事になり、本機以外ではD51-59号機は長野
県上伊那郡辰野町、146号機は静岡県静岡市(後に真岡鉄道SL96館)、165号機は富山県南砺市、684号機は東京都東村山市、953号機は北海道虻田郡豊
浦町、1149号機は滋賀県犬上郡多賀町でそれぞれ静態保存されている。
D51-592号機 場所 山口県下松市笠戸島 大城岬公園内
車暦 1941日立笠戸工場・・広島局・・1948広島第一~1955柳井~1956出水~1970下関~1971厚狭~1972 廃車1973保存開始
状態 塗装は普通 汽笛・前後ライト球・ガラス欠 煙室扉ハンドル・前プレート? 他の外装諸装備装着 運転室窓枠・ガラス欠 室内は缶圧力計欠 他の諸計器類も外形
のみ 両水面計は外枠のみ 制動弁欠 操作系統・電気系統機器も一部欠損 屋外保存であるが各所に錆びが浮き始めており、島のためさらに塩害が心配される。
保存状態は普通である。日立笠戸工場に由来する記念機であり、今後の保存の成り行きが気がかりである。
* 再訪して見ました。変わらない状況で保存されていました。 撮影日 2007/07/27・2009/10/12
* 塩害対策で塗装が繰り返されていますがそれでも錆と腐食が進行しています。ロッド関係の刻印は明確でないものもありましたが、動輪の刻印は全て明確に残
っていました。左クロスヘッド上蓋部にはD51798の刻印があります。D51-798号機は1972年に長門機関区で廃車になっつていますが、1947年から広島機
関区に配属されており、この頃に転用されたのでしょうか。左釣りリンク腕にはD51392の刻印が、D51-392号機は1968年に新見機関区で廃車となっており、
廃車後転用されたのでしょう。次に右先輪にはD51927の刻印があります。D51-927号機は1971年に厚狭機関区で廃車ですが、本機と共に1955年から柳
井機関区に配属されており、この間に転用されたのでしょう。 撮影日2010/12/18
* 本機に関しては光市の奈良山氏が「笠戸島D51-892号機を燦かせる会」を結成され、今後の整備も含めた活動を開始された。2014には北九州市の入江氏
等のご協力で機体外観に関しては再塗装が行われ黒色の機体が蘇っていました。2015/01に奈良山氏から運転室の整備に関して協力依頼の申し出があり、三次
市の48650号機の整備をする準備中でもありましたが、出来得ることがあればと伺いました。既に会のメンバー方による運転室の整備が始まっていましたが、焚口
炉の開閉・各圧力計の取り外し(復元)・運転室内天井部のケレン・火室内の清掃等のお手伝いをさせていただきました。以下はその記録ですが、48650の整備もあ
り二度ほど参加させて頂きましたが以後は会員の方々で整備が行われています。 2015/01/25
* 本機が1955(S30)年当時、柳井機関区に所属し、山陽本線で活躍していた頃、僚機にはD51-152・173・175・207・213・244・271・310・328・415・476・
535・655・783・927号機も所属していた。その後各機は各地に転配属された。本機以外ではD51-244号機が福岡県福岡市八幡東区で静態保存されている。
* 本機が1971(S46)年当時、下関機関区に所属していた頃僚機にはD51-213・239・385・533・558・743・768・813号機も所属していた。しかし、山陽本線での
運用は既に無く全機構内入れ替え業務を担当していた。その後DL化に伴い各機は転配属、廃車・解体の経過をたどった。廃車後本機以外ではD51-385号機は千葉県
鎌ヶ谷市、768号機は山口県下関市、813号機は山口県山口市小郡で静態保存されている。