「SL整備記録 NO-7 大山正風」
                          C57-44号機整備記録 NO-4

2014/01/04
 昨日は錆止め剤塗布済みの缶カバー・シャーシー下部の火室前から前方の排気膨張室扉までの本塗装と外側から見える範囲の錆落としと研磨

をしました。棒台枠の左右各動輪軸箱の軸箱守控にL/R1~3・C57-44の刻印がありました。軸箱クサビに刻印が有ることは以前に報告しました

が、軸箱守控に刻印が有るとは思ってもみませんでした。動態機も当然ながら静態保存機も機体下部に潜り込み観察することは先ず不可能でして、

機体下部が見える状態で保存されているいわき市のD51-946号機・成田市のD51-609も見学しましたが内部は暗く塗装されてもいましたので全く

気付きませんでした。C57型機のみならず他の機種にもある事が予測されます。いずれにしろ新発見でした。また第一・第二動輪担バネバネ鞍に

部品番号刻印がありましたが、内側とは異なる番号でバネ鞍は∩型ですから同一番号と思っていましたがどうやら違うようで、これも勉強になりま

した。

 本日は昨日の続きと除雪板背後~左右シリンダー被内側・第一先輪部内側を塗装に備え研磨・錆落としをし、左第一~第三動輪輪心部に錆止め

剤を塗布しました。左サイドから本塗装をする予定ですが塗装状況は後日まとめて報告します。

2014/01/06
 昨日は第一先輪~従輪部イコライザーまで一回目の塗装をしました。本日は二回目の塗装作業をし、新しい作業としては左右のブレーキ管・送水管・

吸水管・テンダー石炭庫左右にある火掻き棒(例によって3か所の溶接)の溶接を外しましたが、日没が近く写真撮影にはなりませんでしたので明後日

に寸法とともに掲載いたします。あま市甚目寺のD51-827号機には投炭スコップと小型の火掻き棒はありましたが、本機の火掻棒はかなり大きいサ

イズと思われます

2014/01/08
 昨日は右第一先輪~除雪板の塗装、右ランボード下面・スタビライザーのケレン、左右油ポンプの調整作業(軽く回るようになりましたが油がまだあ

りますので回すと油が落ちます。)

本日は雨天のため塗装作業は中断し缶上部左右の銅細管の磨きだし準備・汽笛・安全弁の磨きだし作業(未完了)をしました。

2014/01/10
 昨日はやはり天候不順でしたので、缶上部の部位の磨きだしの続きでした。左右砂まき缶上部・缶逆止弁と給水管・左空気作用管の前一部を磨き

だしました。缶逆止弁にはNH43・3の打ち出し印がありました。

 本日は午前中は雪交じりの天候のためコンプレッサーへの蒸気管・調圧器・空気作用管の続き・安全弁等の磨きだし作業をし、天候の回復した午後

からは左従輪部~キャブ下各配管の本塗装、右第二先輪~第三動輪~スタビライザーの下塗り作業をしました。

2014/01/12
 昨日は左キャブ下の各配管の本塗装の続きと、テンダー水槽内に入り5か所の破口に下から天板と支柱で塞ぐ作業をしました。水槽内は約5cmの

深さの雨水が溜まっていますが、排水バルブが強固に硬く固定されており揚水ポンプでは限界であり、このままの状態にしておかざるを得ません。但し

水槽内に存在していた空き缶・ゴミ類は全て除去できました。

 本日は右第二先輪~第三動輪部の本塗装・右従輪部のケレン作業をしましたが、休日で新聞で紹介された事もあり来訪者が多く、説明をしたりして

いましたので作業は余り進展しませんでした。

2014/01/14
 昨日は石炭庫の破口を特殊パテで塞ぐとともに塗装に向けて壁面をケレンしました。左即板の二か所の補強縦梁下部は長年の雨滴の影響で、ボロ

ボロの状態ですが今回は補強する余裕がないので次回の機会に壁を溶接補強したいと思います。テンダー下部にある二か所の排水弁・ボルトを何と

かこじ開け残りの雨水を出しましたが、完全に放出することはできませんでした。

 本日はテンダー台車部を高圧洗浄し横梁裏等の長年の粉塵塊を除去しました。また左第二先輪~第二動輪のボス・軸ツバ・カウンターウエイトを磨き

出しました。第二先輪軸ツバにはOMレ15-152 72T、第一動輪軸ツバにはシ41-12 TM9815 A-8 第二動輪軸ツバには37E11 15-5の

刻印がそれぞれありました。

2014/01/16
 昨日の作業としては、左第三動輪のボス・軸ツバ・カウンターウエイトを磨きだし、第二先輪~第三動輪までをアクリル樹脂処理をしました。さらにテ

ンダー右第一台車部の下塗りをしました。本日はテンダー部石炭庫内部の本塗装と左クロスヘッド~ロッド等の磨きだし作業をしました。西条市長が

作業の進捗状況を確認に来られ、少なくとも整備前とは変化しつつある状態に納得・満足されておられました。来訪者・報道関係者の取材があり作業

が余り進まなかったのが残念でした。

2014/01/18
 昨日の作業は引き続きロッド等の磨きだし、テンダー左下部・台車・後部下の本塗装をしました。本日はその続き作業でした。今後の予定ですが未塗

装部位は右ランボード下部・同第二空気溜め・同従輪部・同キャブ下・同テンダー下部・台車であり順に塗装をします。またコンプレッサーと給水ポンプに

関しては整備も含め未作業となっています。また銅配管や細管の磨きだしがのこっていますが1月31日で一応終了させる予定で取り組みます。

 2月14日に作業シートが撤去されるまで、細かな部位の仕上げ作業を行います。鉄道南館への移動は2月15日以降と伺っています。3月からは南館

建設場所で運転室内の整備・復元作業を始め、完成は3月末を予定しております。塗装や磨きだしの目途がついた段階でまとめて紹介いたしますが新し

い事実が判明すれば随時紹介したいと思います。次回は01/25を予定しておりますのでご了承ください。

 

2014/01/25
 作業としては左動輪~ロッド等の磨きだしがほぼ完了し、上部銅細管の磨きだし終了、テンダー右下部~台車の本塗装終了、テンダー~機体接合部・

中間緩衝器部のケレン・本塗装終了、右動輪~ロッド等の磨きだし作業中という状態です。テンダー台車右車輪のスポークには左には認められなかっ

た薄い銅の輪っかがありました。第一車輪の作業中ピンが折れたために外しましたが、第二~第四車輪のはそのまま塗装しております。

 作業の都合で後回しにしていたシャーシー前端部両排障器アームをケレンしますと、粉塵の下から溶接棒によるC5744の文字が現れました。また、右

ロッドを磨きだし作業中偏心棒に
D51202の元印がありました。D51-202号機は1970年に富良野機関区で廃車になっていますが、1938年製造以

降北海道で走行しており苗穂工場での検査の際か廃車後に転用されたのでしょう。また同ピンツバには
D51915の刻印がありました。D51-915号機

は1976年に岩見沢第一機関区で本機とほぼ同時期に廃車になっています。1964年以降旭川~名寄機関区に配属されており廃車までの間に苗穂工

場での点検の際に転用されたのでしょう。左右のメインロッドにはそれぞれ刻印が残っていました。次回は01/30を予定しております。

2014/01/30
 作業としては左サイドのロッド等の磨き出しが完了し、右サイドの動輪・ロッド等の磨き出し中、左コンプレッサー・右給水ポンプ・両発電機・両油ポン

プをケレン、整備中です。両発電機ともに三鷹車両電気製作所の製品でした。右第一動輪軸ツバにはシ42-5NH534の刻印、第二動輪軸ツバには

シ38-4NH1101の刻印、第三動輪軸ツバにはシ38-4NH1102の刻印がありました。軸ツバが続き番号である事も珍しいのではないでしょうか。

 01/28.29には先日お邪魔したC561139号機・横浜ポニークラブ代表の佐藤氏が遠路手伝いに来てくださいました。整備が佳境を迎えている時

期なので本当に有り難いことで感謝!感謝!であります。佐藤氏も磨き出し等の作業をしていただき、空気溜めに関するご指摘をいただき今後の活

用の見通しがつきました。また左第二サイドロッドにある三回転のネジマークについてもわざわざ調べていただき溶接による修理マークではないかと

いうご教示をいただきました。ロッド関係では左メインロッドがNN38・7右メインロッドがHM36・6でいずれも小樽築港機関区時代に苗穂工場で付け

替えられ、左右第一サイドロッドには検シ13とあることから製作時のままのロッドと考えられます。

                                                                 次回は02/05を予定しております。

2014/02/05
 作業としては右第一~第三動輪・同ロッド等の磨き出しが終了し、コンプレッサーと給水ポンプケレン等完了、移転先である建設中の南館内ではケレ

ンや水洗いが難しいので運転室内のケレンと高圧洗浄機で再度洗いだし、銅細管や磨き出せる部位の粗磨きをしました。今までの磨き出し作業で銅粉

塵まみれの本体を洗い流す一回目の作業をし、白線ラインの塗装・缶カバーの帯の再塗装をしております。作業も95%終了の状態であり13日には作

業は予定通り完了し、作業シートが撤去され新しい「貴婦人」がお目見えする予定です。

2014/02/10
 先週末から四国西条市地域も雪に見舞われ、松山と西条を結ぶ国道11号線桜三里(山間部)が積雪・凍結のため渋滞し松山から普段は1時間少

しで着くところが3時間近くかかり整備にも影響を与えていますが、行程上は残すところ左右のランボードと前方煙室扉下のステップを残すのみとなり

ました。本日は雪の降るあいにくの天候でしたが44号機全体を4時間近くかけて高圧洗浄し銅粉や塗料粉を奇麗に洗い流しました。明日・明後日で

最後の塗装と塗りムラの再塗装を予定しており作業的には13日で終了の予定です。

 作業シートが14日には撤去され美しい機体が登場する筈でしたが、移転の作業準備のため上屋根のシートを支柱を外しながら下に下げて機体を覆

うというやり方だっつたのですが、それでは完成した機体の全体(真横)写真を撮影することができません。鉄道南館に移設されますと公式左サイドはも

ちろん右サイドも撮影することは不可能であり、記録上もこの機会を逃がすと完全に撮影は不可能であり、44号機が走っていた当時も真横からの鮮明

な写真はありません。どうしても撮影したいと上屋根を設置した工事担当の「遠藤組」さんにお願いしたところ、手間がかかるのを承知でご協力いただけ

る事になりました。足場が完全に撤去され8方位の写真撮影が可能となりました。HPをご覧のお近くの方はこの機会に是非撮影されてください。2/14

のお昼頃には姿を現し始めるかと思います。荒天の場合は別ですが少々の降雨ならば実施されると思います。
                      次回は2014/02/14を予定しております。全体写真が撮影出来ましたら大きいサイズで掲載したいと思います。

2014/02/14
 本日は本来ならば作業上屋のシート・足場が撤去され44号機の全体がお目見えする筈でしたが、西条市地域は降雪と強風のために作業は延期とな

り残念ながらその姿を見ることが出来なくなりました。来週中に実施される予定ですので改めてお伝えしたいと思います。昨日は移転してからでは作業

が難しくなりますので煙室内の煤煙や付着物の除去作業を市観光振興課の柳原課長さんにもお手伝いいただき実施しました。以前に吐出管付近の煤

煙は除去していましたので奥の反射板・煙室管板付近の煤煙を処理し、主蒸気管や煙突下部・吐出管・整風器及び床部に付着している煤煙はアクリル

処理をし、今後の煙室炉扉の開放公開に備えました。

 次に横浜市佐藤氏より頂戴した主灯LP403電球と岩見沢市のS氏より頂戴したガラスを仮装着し撮影に備え、フロントステップを塗装し作業を終えま

した。偶然にも作業終了した時点で岩見沢市のS氏よりTELがあり、整備に関してお話をさせていただきました。その中で給水ポンプからの送水管に取り

付けられている消火栓について実際の運用に関してご教示をいただき、私も知らなかった興味深い内容でした。

 本州で運用され静態保存されているC57型機の消火栓は給水ポンプから大きく湾曲して取り付けれられている送水管の付け根にありますが、北海道

で運用されていたC57型機は解体された38号機は確認できませんのと201号機は本州型ですが、44・57・135・144号機の消火栓は給水ポンプの

真横に配置されています。これも苗穂工場での造作であり北海道型を示す特徴かと思われます。44号機の全体像はお伝えできませんでしたが、その

代わりに球・ガラスを付け夕日を浴び輝くプレート前面の様子を紹介いたします。移転先の南館では見ることができない光景かと思います。

 来週からは部分的な手直し作業を移転までいたします。
次回は作業上屋・足場が撤去され次第お伝えいたします。


2014/02/18
 作業的には左動輪等の手直し、キャブ上記箱バルブ・止めナットの除去をします。作業上屋の除去が02/21に決まりましたので、全体の状況は

撮影後ロッドと共に初会します。左第三動輪末尾の下に
元印がかすかにあります。右第三動輪には明確にの元印が確認できます。C57-45号機

は1968年に名古屋機関区で廃車になっていますが、1938年に本機と同様に東京鉄道管理局管轄下で1945年には宇都宮機関区に配属されて

います。本機が1947年以に仙台機関区に移動する間に大宮工場で転用された可能性は高いと思われます。


2014/02/20
 作業としてはキャブ内蒸気分配箱の主止弁ハンドル・注水器の蒸気弁ハンドル以外の各バルブの溶接部を外しバルブ
を抜き取り3月からの整備に

備えました。既にキャブ内の再ケレンも終了し、上部圧力計取り付け板も除去しており銅・細管の粗磨きを終了している。本日は機関士・助手席の座

を外し西条市内の椅子製作所に持参し、新しい座の製作をお願いしました。両背もたれは欠損しているので、岩見沢市の144号機の背もたれ実寸を

参考にしていただいた。5月頃には新品の座と背もたれが完成の予定です。明日から移送までの間は動輪・ロッド等の手直しをする予定です。

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